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信濃三十三観音札所
観音巡礼は西国・坂東・秩父などをはじめとして、全国各地に多くの霊場が存在します。信濃観音霊場はそのひとつであり、およそ江戸時代初期ごろに設定されたと言われております。この信濃観音霊場の最大の特徴は、日本アルプスを臨むその山々に囲まれた大自然にあります。季節の移り変わりとともに山々が様々な表情を見せる一方、観音さまは長い年月変わることなくずっと我々を見守ってくださいます。
また、古来より観音さまは補陀落山という大変高い山にお住まいであると伝えられております。長野県は日本一平均標高の高い県であり、信濃観音霊場はまさに観音さまのお住まいになられる霊場としてもっとも相応しいといえるでしょう。変わりゆく景色、時代の中にあって、変わることなく優しく我々を見守ってくださる観音さまに出会う旅は大いなる慈悲に出会う旅であり、この旅を通じて一人でも多くの人々が心豊かになられることを心より祈念いたします。
信濃三十三観音札所連合会ホームページより転載
http://shinano33.com/index.html
信濃三十三観音札所結願所
「結願(けちがん)」は仏教用語で日数を定めて神仏に祈願、または修行し、その日数が満ちることを意味する言葉です。文字通り「願いを結ぶ(叶う)」という意味であります。信濃三十三観音札所を回り、最後に高山寺にたどり着けば願いが叶うといわれております。
信濃三十三観音札所の設定は安永時代に高山寺第二十五世宥厳住職と保科村清水寺住職によって創始されたと推定されています。信濃三十三観音札所は一番を麻績村法善寺とし、全信濃の三十三ヶ所寺の観音の寺を対象としたもので、小川村では椿峰西照寺観音堂が第三十二番、高山寺観音堂は三十三番で結願所であります。ついで宥厳和尚は百番観音の奉祀を発願し、寛政九年(1797)三月五日入仏供養を行っております。百番観音とは西国三十三観音霊場、坂東三十三観音霊場、秩父三十三観音霊場の計百ヶ所の観音像を百人の寄進によって奉祀し、ここ高山寺に参詣すれば百番巡拝が叶えられるということでありました。
信濃三十三観音札所高山寺御詠歌
「たかくとも やすくのぼれよてらさかを くぼんじょうどにまいるみなれば」